<量的緩和>解除後、物価見通し提示を検討 日銀 | わんぱくが、ワンパクにTRADE!する日記

<量的緩和>解除後、物価見通し提示を検討 日銀

 日銀内で量的緩和政策解除後の金融政策運営の新たな目安として、消費者物価の先行き見通しを示す案が浮上していることが、1日明らかになった。量的緩和政策では「消費者物価指数(CPI)が前年比で安定的にゼロ%以上になるまで継続する」との明確な数値基準を示してきた。しかし、解除後はこの基準が無くなるため、市場では「日銀の金融政策運営への不透明感が高まり、長期金利や円相場の乱高下も予想される」(米投資会社)との指摘も出ていた。
 政府・与党には、日銀が望ましい物価上昇率をあらかじめ公表し、その達成を義務付ける「インフレ目標政策」導入論が根強い。福井俊彦総裁は解除時に新たな目安を示すことを公約している。ただ、「金融政策の透明性と機動性を両立させる必要がある」として、機動性を損なう恐れがあるインフレ目標には否定的な考えを強調してきた。
 新たな目安として浮上している物価の先行き見通し案は「解除時点での物価見通しを示し、市場に金融政策の先行きを予測する判断材料を提供する」(日銀関係筋)との位置付け。市場関係者は実際の物価動向と「見通し」との比較から、日銀の金融政策の方向性を予測できる。ただ、硬直的な指標になることを避けるため、物価動向が「見通し」の範囲でも、資産価格の急上昇などバブル再燃が懸念されるような場合は、過熱を抑えて景気や物価を安定させるため、利上げも有り得るとの方針も併せて示す。
 日銀は年2回の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、9人の政策委員が個々に提出した今後2年度分の消費者物価見通しを集計、公表しているが、必ずしも日銀としての見通しを示すものではない。このため、金融政策運営の新たな目安として「物価の先行き見通し」を示す案を本格的に議論することにしたとみられる。

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